安倍首相は夏の参議院選と衆議選を同時に行う衆参同時選を考えていたが、当面は予想外に拡大している熊本県などの一連の地震の対策を優先すべきだと判断し、政府、与党の首脳との会談で地震対応に特化した今年度補正予算案の編成を指示、五月下旬までの今国会での成立を目指すことにしたと伝えられている。従って六月一日までの今国会の会期の延長は考えていないという。

 北海道五区の参院補選は幸じて与党が勝ったものの、最近週刊誌などで次々に暴露される与党議員のいわゆる不祥事は与党に対する一般の支持を弱めていることは事実であるし、いくつかの世論調査にもそのことは現われているのであるから、同日選の利点とは考慮しても、今、踏み切ることは得策ではないように思う。

 不適当な言い方かも知れないが、災害対策は与党の力を示すいい機会でもあるから、余計そう思う。