28.4.3
ひと頃自治体、特に市町村が公共施設―たとえば公民館などを競って建設するむきがあった。人口五、六千人ぐらいの町が五、六百人も収容するようなホールを作っても、さて、年に何回利用するか。まことに勿体ない気がするものであった。
首長さんが隣りの町に作れたのに、どうしてうちの町にはないのか、と議会(住民)などから詰問されてみると、選挙の票のこともある。作らないわけには行かない。
さて、出来上がって落成式などを盛大にやって喜んだはいいが、小部屋の方はやれ舞踊の会とか、生け花とか、何とか使ってくれるが、大ホールを埋めるような会は滅多にない。
維持するには人手もいる、掃除もいる。ちょっと古くなるとあちこち修繕も必要だ。電気の球も切れる。ガス、水道は使わなくても基本料金は取られる。ま、簡単に言うと、もてあます恰好になる。
私が官を辞して議員になってから、四十年余、その間に私の選挙区も御多分に洩れず人口の減は甚だしい。山間の町は三分の一以下になったところもある。
市町村合併は何度も行われ、昭和の初め一万あった市町村の数は一五〇〇に減ったが、交通、通信の手段が発達し、住民の合意形成もし易くなった今は、まだまだ多いと言われている。
道州制はまだ実現に程遠い。
一方市町村での事務も減るどころか増えていることも事実であろう。
私は提言する。
戦後間もなく政令改正諮問委員会が設置され、膨大な法律政令などを洗い直す作業が行われ、各省の抵抗も強かったが、それでも、それなりに成果を挙げた。
あれと同じことを、いやもっと徹底的に法令に基づく諸制度を徹底的に洗い直して、不用なものは廃止し、又、思い切って廃止又は整理する、組織も簡素化する、部課制を原則として廃して、担当官制を改める。仕事の量の変化に応じて随時担当替えを出来るようにする。
次に市町村の合併を思い切って促進し、三分の一ぐらいに数を減らす。
その他、まだある。一応これくらいとしておくが、こういう改革を実行するには相当強力な政治体制が必要となる。
アベノミクスも経済面だけではなく、行政面で思い切って 体制の改変を実現して貰いたい。
北海道のある市では、炭鉱の廃止などによって十二万人もあった市の人口が五千人に減ったというが、相変わらず市となっている。気持ちはわかるが五千人の市とは何だか情けないではないか。
かつての私の選挙区でこの四十年で人口が三分の一以下になり、少子化現象もあって、八つあった小学校を一校に集約し、スクールバスで生徒を運んでいるという。それでいいのである。
政府も国際関係も大事だが、国内のことをもっと力を入れて貰いたいと、と思うが如何。
ひと頃自治体、特に市町村が公共施設―たとえば公民館などを競って建設するむきがあった。人口五、六千人ぐらいの町が五、六百人も収容するようなホールを作っても、さて、年に何回利用するか。まことに勿体ない気がするものであった。
首長さんが隣りの町に作れたのに、どうしてうちの町にはないのか、と議会(住民)などから詰問されてみると、選挙の票のこともある。作らないわけには行かない。
さて、出来上がって落成式などを盛大にやって喜んだはいいが、小部屋の方はやれ舞踊の会とか、生け花とか、何とか使ってくれるが、大ホールを埋めるような会は滅多にない。
維持するには人手もいる、掃除もいる。ちょっと古くなるとあちこち修繕も必要だ。電気の球も切れる。ガス、水道は使わなくても基本料金は取られる。ま、簡単に言うと、もてあます恰好になる。
私が官を辞して議員になってから、四十年余、その間に私の選挙区も御多分に洩れず人口の減は甚だしい。山間の町は三分の一以下になったところもある。
市町村合併は何度も行われ、昭和の初め一万あった市町村の数は一五〇〇に減ったが、交通、通信の手段が発達し、住民の合意形成もし易くなった今は、まだまだ多いと言われている。
道州制はまだ実現に程遠い。
一方市町村での事務も減るどころか増えていることも事実であろう。
私は提言する。
戦後間もなく政令改正諮問委員会が設置され、膨大な法律政令などを洗い直す作業が行われ、各省の抵抗も強かったが、それでも、それなりに成果を挙げた。
あれと同じことを、いやもっと徹底的に法令に基づく諸制度を徹底的に洗い直して、不用なものは廃止し、又、思い切って廃止又は整理する、組織も簡素化する、部課制を原則として廃して、担当官制を改める。仕事の量の変化に応じて随時担当替えを出来るようにする。
次に市町村の合併を思い切って促進し、三分の一ぐらいに数を減らす。
その他、まだある。一応これくらいとしておくが、こういう改革を実行するには相当強力な政治体制が必要となる。
アベノミクスも経済面だけではなく、行政面で思い切って 体制の改変を実現して貰いたい。
北海道のある市では、炭鉱の廃止などによって十二万人もあった市の人口が五千人に減ったというが、相変わらず市となっている。気持ちはわかるが五千人の市とは何だか情けないではないか。
かつての私の選挙区でこの四十年で人口が三分の一以下になり、少子化現象もあって、八つあった小学校を一校に集約し、スクールバスで生徒を運んでいるという。それでいいのである。
政府も国際関係も大事だが、国内のことをもっと力を入れて貰いたいと、と思うが如何。