H28.3.19
安倍首相は来年4月に予定されている消費税率の10%への引き上げを再延期する検討を始めている。具体的には18日の参議院予算委員会で「消費に力強さがない。世界経済が不透明さを増している。経済が失速しては元も子もなくなる」と述べている。現在の経済状況の低迷に懸念を示し、増税の延期を判断する可能性があるとの考えを示したものだ、と考えられている。(3月19日東京新聞朝刊)
消費税率の引き上げは言う迄もなく2%。たかが2%、されど2%であって、安倍首相の情勢判断は間違っているとは思われない。
私が、この欄で以前にも示していたように、日本の税制体系は元来直接税が中心となっているので、欧州諸国のように税収全体の中で占める間接税のウェイトは高くはないのが特色である。従って、消費税率がそれらの諸国に比べて低いという事実だけをもって、税収の確保のために消費税率を逐次引き揚げて行こうという考え方は、俄かに賛成しがたいものがある、のである。
そのうえ軽減税率の設定のように複雑で手間のかかる問題を同時に解決しようとするところには何か無理がある、と思われる。麻生蔵相の「面倒くさい」という表現はいささか不用意であると思われるにしても、問題のポイントを外した発言ではない。
日本の経済の現状についての判断は必ずしも確定しているとは思われないが、こういう何だかどんよりとした経済情勢の中で、予定だからといって来年4月の消費税率の引き上げをそのまま実施する必要はないのではないか、と思われる。
も一つ。重ねて言うが軽減税率の設定など徴税の執行上問題の多い税制は止めて、10%への引き上げを0.5%下げて消費税の引き上げ率を9.5%にしたらどうか、と思うが如何。0.5%の引き下げは、余り理窟はないが公明党の顔を立てたことになれば幸いである。
安倍首相は来年4月に予定されている消費税率の10%への引き上げを再延期する検討を始めている。具体的には18日の参議院予算委員会で「消費に力強さがない。世界経済が不透明さを増している。経済が失速しては元も子もなくなる」と述べている。現在の経済状況の低迷に懸念を示し、増税の延期を判断する可能性があるとの考えを示したものだ、と考えられている。(3月19日東京新聞朝刊)
消費税率の引き上げは言う迄もなく2%。たかが2%、されど2%であって、安倍首相の情勢判断は間違っているとは思われない。
私が、この欄で以前にも示していたように、日本の税制体系は元来直接税が中心となっているので、欧州諸国のように税収全体の中で占める間接税のウェイトは高くはないのが特色である。従って、消費税率がそれらの諸国に比べて低いという事実だけをもって、税収の確保のために消費税率を逐次引き揚げて行こうという考え方は、俄かに賛成しがたいものがある、のである。
そのうえ軽減税率の設定のように複雑で手間のかかる問題を同時に解決しようとするところには何か無理がある、と思われる。麻生蔵相の「面倒くさい」という表現はいささか不用意であると思われるにしても、問題のポイントを外した発言ではない。
日本の経済の現状についての判断は必ずしも確定しているとは思われないが、こういう何だかどんよりとした経済情勢の中で、予定だからといって来年4月の消費税率の引き上げをそのまま実施する必要はないのではないか、と思われる。
も一つ。重ねて言うが軽減税率の設定など徴税の執行上問題の多い税制は止めて、10%への引き上げを0.5%下げて消費税の引き上げ率を9.5%にしたらどうか、と思うが如何。0.5%の引き下げは、余り理窟はないが公明党の顔を立てたことになれば幸いである。