地方自治体間の財政力の格差が目立つようになったので、財政力のある自治体の住民税や法人事業税の一部を財政力の乏しい地方自治体に移す案が検討されているが、既に反対運動が始まっていると聞いている。
こういう形で財政力の調整を図ることは反対を招き易いので、も少し検討したらよいが、私は、提案する。
それは、まず住民税の法人税割と法人事業税を減額として、それを地方交付税に上乗せする案である。
同じことではないか、という批判はあろうが、与える感觸が違うのである。再三述べているとおり、地方交付税は地方団体の一般財源であって、法律上その使途は制限されていない。この辺はよく理解されていないようでもあって、何にでも使える財源を何やら名称をつけて地方交付税の外に計上しょうとする試みがあるが、ナンセンスである。
一旦地方団体に与えた財源を減らして、他の団体に移すという形よりも、最初から財源を減らして、それを地方交付税に回す方が理屈もつき易いし、交付に手間も要らないし、財源調整の目的も達し易いのではないかと思う。私の前から主張しているところである。
それから、一部の地方自治団体に巨大施設による固定資産税があって、住民税を徴収しないでもいいような団体もあるので、思い切って、固定資産税の税率を引き下げることも必要ではないか。地価の変動は経済情勢に従って激しいところもあろうので、それをそのまゝ一般住民の固定資産税に反映するような制度(勿論、一部緩和されるようになっているが、概しい高い)は改めるべきだと思う。