今日は久しぶりに甲子園の高校野球を二試合ほど見た。他のこともしながらであったから、見つづけるわけではなかったが、楽しかった。プロ野球とは違う、すがすがしさというか、真剣さと言うか、とにかくスポーツのよさを味わせてくれる。

 昭和の初め、昭和五年か六年だと思うが、高校野球のラジオにしがみついて聞いていた頃である、テレビはない、ラジオだけである。

 中京、明石の両校が戦い、二十五回目にやっと中京が一点入れて優勝した、と記憶している、この長い長い試合を二人の投手が投げ抜いた。

 ハッキリ聞えるラジオはわが家にはなかったので、隣家の息子と二人で、長い紙に点数と、言って〇バカリを記入しながら聞きいったことを今でもよく覚えている。

 この二十五回も斗った試合のことを、新聞なども伝えていないので、不思議でもあり。残念でもある。

 NHKにはキッと残っているだろうから、も一度聞きたいものだ、と思っている。