西村寿行の南アフリカ辺を題にとった、甚だわかり難い本であるが、ぶつぶつ文句を言いながら兎に角読んだ。本当みたいな、噓みたいな、ドキュメントがあるような、ないような小説で、読み上げて、何にも残っていないような、といって、そういうこともあるかな、と思わせるような、作である。
「長編国際冒険ロマン鯱シリーズ」として、何巻もあるようであるが、くたびれた。「ハードロマン傑作」とあるが、そんなカテゴリーがあるのかな、と思う。