27・5・8
「花の色はうつりにけりないたずらに」という文句がふと浮かんで来た。
毎日庭の花を眺めることにしているが、日々本当におかしいくらい色が変わることに気がついた。そして、毎日、同じ木に同じ色の花が咲くとも限らないことがわかった。
東京ドームの世界らん展には二十年余り毎年必ず写真を撮りに行く。そして気がつくのは、内覧会の時に写した花の色が一番よくて四、五日経って会期末に撮りに行った時は、もう何となくしおれていることだ。
「花の命は短かくて、苦しきことのみ多かりき」という文句、放浪記にも出て来るが、そうかな、と思うようになった。
何事も旬があるのだろうが、花はその色、かたちでそのことを示してくれる。
花は生き物である。もちろん人間も。