27・4・12
一高で文二の同級生が一人亡くなった。東大も法学部政治学科で一緒、大蔵省も一緒、ただ彼は理財、銀行系統と進んで、そこでは一緒の道にならなかった。大へん真面目な勉強家で、私や親しい仲間の様に授業をサボることをもって旨としていなかったので、どちらかと言うとつき合い難い方で、全寮制であったが、家は横浜、土・日はよく家へ帰っていた。
その彼が今年亡くなった。三〇人の同級生がこれで私を入れてたった二人残ったことになった。早速その一人に電話して、遂に俺とお前の二人だけ残った。二人でそのうち最後のクラス会をやろうといったら、彼は賛成していた。
まだ会はやっていない。いつやろうか、却って気になってならない。高校の同級生は家族以上に親しくしていたものもいた。年をとるということは淋しいものである。