ソ連邦は一九九一年に解体して十五ヶ国に分裂してしまった。抑留者の収容所の存在していなかったところもあるが、収容所はロシア共和国以外の国にも存在していた。従って抑留問題についての交渉はそれらの国とも行なわなければならなくなっている、その点、日本側もそれらの国と旧ソ連邦と日本との協定等を当然引きついて貰わなければならない。その辺は私たちからも何回もたしかめている。

 しかし、外務省もそういうことは配慮をしているかについては、さらによくチェックをしなければならない、と思っている。

 十五ヶ国に分裂したことについては、ロシアの役人連中に聞いても、どうもあれは必ずしもよくなかったと思っている向きもあるといっている。

 ウクライナについてのいろいろなドタバタ劇もその一つの表れではないかと私は思っている。