「ハ十八夜物語」「銀座」

　　二十六・四・二十六　

　平村良の作である。こんな世界の内幕は商売柄知る由もないが、昭和十二年高校に入学すると同時に始まった銀座通いはとくに終っているが、そこは、あだ花の咲く、いわば作られた世界であることを知らされている。

　ただ、この本は、私の期待したような結末にはなっていない。つまり、ヒロインの夢がまだ破れていないからである。