27・1・12
曽野綾子さんと吉村作治氏の対談集である。エジプトの文化の研究に深く沒入アラブの人とも結婚もし、子もなした早大名誉教授吉村氏の明けっ放しの説話で、大へんに面白かった。
太陽の船の発掘などの功積のあるものの、エジプトの話なら俺を通さないと承知しないと言ったとか、という噂を耳にしていたのであるが、アラブ人を知り、エジプトの文化を深く理解していたことがわかったし、悪い話は噂に過ぎないことも理解し得た。
歴史が遠く、長いだけ、人心の流れも単純でないことがよくわかったような気がして近頃いい本であった。