26・12・23
選挙を十ペんたたかってみて、つくづく思うことは、当り前だが、負けてはダメだと言うことである。選挙は総力戦である。しかし、何をやってもよいということではない。例えば買收などダメである。やるべきではない。たまには成功する人もいるだろうが、長くは続く筈もないし、そんな人を送り出す選挙民は反省しなければならない。
しかし、運はある。
今度の総選挙は確かに自民党が強かったというより、野党がバラバラで皆弱かったということである。
野党の党首が小選挙区で落ち、比例でもダメとあっては、本当に救われない。彼もただ一つと不徳の致すところとか、力及ばなかった、と言っておけばいいものを、他の人のところに応援に行かなければならなかったので、自分の選挙区に帰れなかったから、などと言い訳を言うようでは、全くダメだし、第一、みっともない。党首でなくなって、党の幹部があちこち応援で走るのは、どの党だって当り前であって、そんなことを負けた弁解にするなんて、本当に悲しくなるほどである。
私は、今度の自民党の勝利の原因の一つは消費税一〇%の延期にあると思う。来年十月一〇%と言っておきながら、これを延ばしたことを、野党が攻撃できなかったことが敗因の一つである。
財政が持つのか、などいろいろ批判の余地はあるにしても、予定どおりやれと自民党内閣を責めるという手はあるが、それを今の野党が言ったら、何だ消費税率の引上げに賛成なのかと挙足をとられることになる恐れがある。期せずして、自民党はうまいはめ手を使ったことになるな、と思った。
たかが二%、されど二%、消費税の税率の問題がこんな風を左右するとは、いささか予想されなかったのではないか。
運は自民党についていたのである。