26・6・16
ドストエフスキーのこの作品の名を知って八〇年にもなるだろうか。トルストイ、ツルゲーニェフ、チェホフ、などの作品は殆んど学生時代に読んでいるのに、この作家のものは概要で読んだに過ぎないのは、どうしたものかと思って、いつか読む機会を待っていた。去年やっと「罪と罰」を読み、その力強いペンの描く世界にしびれる思いがして、今度こそカラマーゾフと思い定めて、やっとスタートした。
チューブを握ったら自然に出てくる絵の具が描くような世界が、そこに展開されている。どういう筋かも忘れさせてくれるような、生きている人間の姿である。
これ以上、何も言うことはない、続けてドストエスキーの描く人間の世界にドップリつかってみたい、と思っている。