26・5・27

 自民党税調は五月二十七日の非公式会合で外形標準課税を軸に検討に入ることで一致したという記事を見た(日経・朝)。

 これは、随分大きな売上げをし、地域の行政にお世話になりながら、法人税法上の利益を生まず、一文も税金を払っていないような企業に税法上赤字であっても、その規模に応じて、何かしかの税金を負担して貰うという趣旨で平成十三年、私が自民党税制調査会会長の時に凡百の議論を描いて、自治省五十年の願いを果すということで実現を見たものである。赤字の企業に所得課税をするという、考えてみればムリな課税であった。

 従来、これを拡げられたり、ましてや中小企業にまで及ぼすようなことがあってはならない、という固い考え方から、この制度は決して拡大するようなことはしない、という自治省の一礼をとって実現を認めたものである。

 従って、軽々に外形標準課税の拡大を論ずることは不可である。

 ましてや、企業の税負担を軽減するため法人実効税率を引き下げようと検討している時に企業の税負担を加重する外形標準課税を拡大することは黒字企業の税負担を軽減するために赤字企業の税負担を加重するという不合理な結果を招来することになるが、それが妥当なのか慎重に検討すべきである。