26・5・31
公務員制度については人事院もあるし、又、各省ごとに人事が委されている現在の体制にどこが問題があるのか、どうも私にははっきりしない。
高級公務員について一元的に人事を行なう、という。それだけ聞いたら趣旨は悪くはないようだが、一体誰が責任をもって沢山の公務員の人物を判定しうるのだろうか。
各省ばらばらに行政が行なわれる、というようなことが問題なら、それは人事以前、制度の問題である。
私も長いこと役所にいたから、少しは人事の動きについての問題点も知っているが、不思議なもので、長い間には大体人事異動の線が見えてくる。誰が誰のあとへ行って、誰が何になって、と茶飲み話にも出てくるが、妥当の線を言うものが見えてくる。全部の省庁を通じて、人物評価も交えて、そういう線が見えてくるだろうか。
官僚の知識、経験、判断はたる尊重すべきものである。行政のエキスパートとして。それぞれ分野がある。一つのところで同じことばかりやらせて視野が狭くなっている、というようなこともなしとしない。人事の交流をして、担当する仕事も各省横断的に動かすことも悪いとは言わない。しかし、中途半端な知識、経験のオール・ラウンド・プレーヤーを作ったって使い道にならないし、役に立たない。
結論的に意見を言わせて貰えば、人事局は止めた方がいい。ただし、各省間の人事交流はもっと進める。見聞を広くするためには。無論エキスパートを作る本旨は変えない。としたらいいと思うが。