26・5・21
芝木好子の作。この作者のものは殆んど読んだ記憶がない。
好きでも嫌いでもない。といって積極的な恋人には至らない。ただ自然の成行きで一緒になってみたものの、慕情は燃え上がらない。つまらないか、とみれば、そうでもない。
そんな微妙な男女の仲は、はがゆいと思えばそれもそうだが、そんなものかと思えばそうでもある。やはり女でなくてはよう記せない心情のうつろいである。昭和十六年後期の芥川賞。私の大学三年の初まりである。戦争の切迫した空気のただよう頃であった。
26・5・21
芝木好子の作。この作者のものは殆んど読んだ記憶がない。
好きでも嫌いでもない。といって積極的な恋人には至らない。ただ自然の成行きで一緒になってみたものの、慕情は燃え上がらない。つまらないか、とみれば、そうでもない。
そんな微妙な男女の仲は、はがゆいと思えばそれもそうだが、そんなものかと思えばそうでもある。やはり女でなくてはよう記せない心情のうつろいである。昭和十六年後期の芥川賞。私の大学三年の初まりである。戦争の切迫した空気のただよう頃であった。