26・4・26

 米国と米の関税ことでやり合うなんて、ちょっとばかりおかしい気がするが、輸入米に一キロあたり三四一円という高率の関税の撤廃はTPP協議の一つの大きな焦点となっていた。もう長いこと続くが、日本としては容易に讓れぬ問題点である。

 どうも関税率では譲れないが、年間約一〇万トンある主食米で米国産米の輸入を増やす方向で妥協を図っているようである。 

 当面はそれでようとしても、問題がなくなったわけではないし、少なくとも米国からの輸入量を増やせという要求は続くと思われる。

 米価の低落を防ぐために減反を始めたのはもう五十年以上も前のことである。日本人はあの頃より一層米を食べなくなっている。

 他方、和食がユネスコの世界遺産に登録されるほどになったことと関係があるとは思えないが、日本食は寿司を中心にして世界的に人気となって来ている。

 去年秋、出張したモスコウには三百軒もの和食の店があるという。日本人の料理人はほんお一にぎりしかいないし、日本食といっても怪しげな食物が多いと聞かされているが、ともあれ米は食材となっている。

 日本食には本来日本米が合う。醤油も海外での消費が増えて、キッコウマンは初めて日本国内よりも海外での売上量が多くなったという。

 政府も腰を据えて、減反に汗をかくよりも、おいしい日本米の輸出が増えるように思い切った努力をしたらどうかと思う。減反などという消極策は止めて、米の増産に励んだ方がよいのではないか。

 日本食の海外進出が大いに経論されるようになりつつあると思うし、昔は、日本生系、絹織物が日本の代表的な輸出品であったが、今後は日本産の食材の輸出でかせぐ時が来たのではないか。