習主席が三月二十八日、独で講演をして、又もや約七十年前、日本軍は中国・南京を侵略し、三〇万人以上もの中国人を殺すという残虐な犯罪を行ったと語った、という。
しかし、当時、南京の人口は三十万人だったというし、どうして三十万人が殺されるようなことがあるか、と思われる。
私も、南京は短い期間滞在していたことがあるが、そういった噂一つ聞いていない。
昭和十二年に始まる日支事変では両国の軍隊間で戦闘が行なわれていたから両方に多数の戦死者が出たが、これは戦争中の止むをえないものである。
支那の便衣隊と呼ばれた平服を着した軍人がスパイ活動中に捕えられ処刑されたというのは聞いたことがある。
国共合作後、日本軍は国民党軍と共産軍の二つを敵正面として戦っていたわけであるが、われわれが担当していた物質の買付けもこの両軍の支配地域から吸引するものもあって、その際は何がしかのいわば通関税を支払わなければならなかった。武力をもって収奪を行えるような状態ではなかった。だから、支那で日本軍が一方的に掠奪、殺戮などの行為を行っていたように言われるのははなはだ迷惑なのであって、抗議をせざるをえない。