26・3・20
五木寛之の作である。不思議と欧米が出て来ないが、ロシア、ポーランド、イスタンブール、北京、ベルリン、インドと各国を旅する彼が思いつくまゝに印象を記したドキュメントである。
このうち、イスタンブール以外の各国、各地は歩いた私の受けた印象と彼のとは同じとは言いかねるが、興味を持ち、各地の景色を思い浮べながら、一気に読んだ。
歩いてみて、初めて知る国の姿がある。五木は東側の国々に言い知れぬ愛着を持っているのではないか、と思われるが、いずれにしても作家の眼は、私ども俗人とは違うところがあるのは言うまでもない。
もっと、色々な国についての、この種の旅行記を読んでみたい。