26・2・16
よく身上書の趣味の欄に読書と書く人がいる。趣書が趣味に入るのだろうか、と思って了う。
私は、本が好きである。読むのも、買うのも。昔は、毎日のように本屋を覗いた。ちょっと気に入った表題の本があれば、パッと買って了う。余程高い洋書などは別であるが。
それで読むのか、といえば、つんどくという読み方が多い。
学生、ことに高等学校の頃は寄宿寮に三年いたし、多分にみえもあって難しい本も並べ、又よく読んだ。寮の読書室で消灯後、二時、三時まで読むことも多かった。
あの頃は、読みながらメモもとることもあったが、一度読んだ本の荒筋はかなり覚えていた。主人公の名前も。
今は、ダメだね、先ず読むスピードが落ちて来た。一時間一〇〇~一二〇ページ読んでいたのが、半分だ。
横文字の本は殆んど読む気がしないが、この間もアガサ・クリスティのいい表紙の本を書棚に見つけたので、それ“これ”と思って拡げてみたが、とてもスラスラとは読めない。一時間で二〇ページは読んだのにな、と思っても、今は仕方がない。
岩波の黄色い帯の本もかなり読んだのになと思いながら、今は、残された寿命で、どれくらい本を読めるかな、と思いながら、いい本を選択している。