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 今から三十年近くも昔、米子のわれわれの仲間と当時ようやく民間にも普及し始めたコンピューターの取扱いなどの学校「日本海情報ビジネス専門学校」を立ち上げることになった。有志十人の出資と銀行融資とで米子駅前にビルを新築しスタートをした。

 時代の要請に受けて学校経営も順調に進んでいたが、パソコンなどは高校で習得できる時代となって、就職、再就職目的の実務教育を中心とするようになった。

 その第二十六回の卒業式が昨三月八日米子のハーべスト・イン・ヨナゴで擧行された。

 卒業生数の倍もの保護者の出席をえて卒業式は厳粛に擧行され、この学校の教育振興会の会長として私は祝詞を述べておいた。

 久方ぶりに蛍の光を一緒に唱いながら、ふと気がついたことは、女子の卒業生全員が和服を着ていることであった。頭こそ当世風だが、振袖に高い絝に白足袋。いいものであるが、昨年までは着物姿は少なかったのに、今年は洋装は一人もなし。

 誰かが、アベノミックスの影響かしらと言っていたが、まさか。でも、何となく景気がよくなってくるという思いの一端がここに表れたのであろうか。