26・2・22

 中国で信託銀行が個人から資金を預り、企業や開発プロジェクトに投融資する信託商品であり、投融資先としては銀行からの借入れの難しい民営の採炭会社や不動産開発会社が多いという。

 利回りは年七~一〇%前後と他の理財商品よりも高いので、急成長を続けて来たが、その投資残高はGDPの二割に達しているという。

 銀行の預貸業務を経由しないこの影の銀行(シャドウ・バンキング)は近頃デフォルトの懸念が強まっている。信託商品は大半が元本保証ではなく、投資家に損失が発生しても信託会社に法的責任はない。

 しかし、満期返済時に何等かの問題が発生したものも少なくなく、所によっては省が投融資先企業に代って個人に信託商品の元利を払うなどのケースもあった。これは、主な投資家である個人のモラール・ハザードを招いている面がある。

 いずれにしても、信託商品残高が急増する一方で、信託会社による損失負担能力は限られているので、この頃、このまゝ進めば、どうなって行くのだろうか、その心配は募って来ざるをえない、のではないか。