26・2・1
久しぶりに藤沢周平のものを読む。
「逆軍の旗」は明智光秀が本能寺で織田信長を殺す物語であるが、如何なる理由があるにもせよ主殺しの一言は何と言っても重く、旗は秀吉にあったと見ざるをえない。
吉良が地元では明君と言われていたが、外では悪者になっている、同じように明智は岐阜県旧明智町では「おんさん祭」などで大事にされている光秀だが。
あと三篇「上意改まる」、「二人の失踪人」、「幻にあらず」は徳川期、いろいろな藩内の出来事をドキュメンタリー風に記述している。筆者の得意の舞台であり、確かな筆である。