26・1・22

 猪瀬知事辞任を受けての知事選である。既に立候補者数人が確定している。

 東京都の知事選は單に一地方自治体の首長選挙ということ以上にその帰趨は重要な意味を持っている。

 人口は全国民の一割を超す首都の首長の選挙である。

 昭和四十九年の知事選に立候補するように当時の田中首相、橋本幹事長(自民党)から強く薦められたが、退官後は衆議院選挙に出たいと思っていた私は、辞退した。相手は美濃部知事で、結局自民党からは石原慎太郎氏が押されて立ったが、破れた。

 現に自民党内閣である。オリンピックを二〇二〇年に控えているということもあるが、知事にとって大事な仕事はオリンピックだけではない。オリンピックは一過性の面もある。

 ただ物ごとには契機も必要である。万事オリンピックのためといって、いろいろな懸案の解決を進めて行くが、勢いのついでに他の仕事も片づけることができる。便乗と言えばそうであるが、一つの流れである。

 東京都と難も一地方自治体に過ぎないのであるから、東京都の決めることが国全体を規律することはありえないが、都と名のつく、たった一つの自治体であるし、その動向がいろいろな意味で他に影響を及ぼすことは言うまでもない。それだけに誰が都知事に選ばれかは大事な問題である。