26・1・19

 妻もあり、子供も二人もいる男と夫もおり小さな子供が一人ある女との仲の葛籐を描く渡辺淳一の物語である。

 このゆう形の結ばれ方をいつ乞も続けられるものではないと思いながら、京都に、北海道にとあちこち二人切りの旅を続ける。

 この関係を清算するには、二人は夫を捨て子供を捨て、又、妻を捨てなければならないが、そこに到れない、ならば、二人とも絆を立ち切って、結婚するか、それも踏み切れない。

 まことに作者の手なれた力作である。手なれ過ぎているかもしれない。