求職者と企業の求人希望がすれ違うミスマッチ失業が世界で増えている。経済協力機構(OECD)がまとめた二〇一三年の推計によると、先進三四ヶ国の平均は前年より〇、一七%高い七、八六%となり、六年連続で上昇した。

 製造業が新興国に生活拠点を移したことやIT(情報技術)で事務職の需要が細ったことが響いている。

 これが各国の潜在的な経済成長力を押し下げる要因となっているので、対応を急ぐ必要がある。

 以上は、今月一四日の日経(夕)の記事であるが、全く同感である。

 ただ、ミス・マッチというとたまたまそうなったというように受けとられるが、そうではなくて、産業の構造的変化によるものであって、やや本質的な傾向なのだと思う。それだけに看過しえないのである。

 労働力の不足を補うために、外国、ことに東南アジアなどから若手労働力の移入を推進しようという動きがあるが、それまた一方的に推進した場合にどうなるのか、トルコあたりから人を入れ過ぎて、国民の失業率が高まり、大きな問題となったドイツの例などを聞いているだけに、単純に結論を出し難いのであるが、少子化現象の拡大が避けられないとなれば、やはり、労働力の移入は避け難い、と思われる。