25・11・27
お互いに惚れあって結ばれた仲であるが、結婚したら夫婦一体はいいが、自分のものになったように思って振る舞うようになる。
しかし、年も二〇代から三〇代にもなればお互いそれぞれの生活環境に育って暮して来ているので、早い話が食べ物の好み、服の選び方からしてちがっているから、そう簡単には参らぬ。そこで、ちょっとしたことからいさかいになり、時に大喧嘩に発展し、別れるの別れないのの愁嘆場になることがある。
そこで私は、結婚披露宴で祝詞を求められる時に、よく仲の良い友達のような気持を失わずにお互いに相手を尊重して暮して下さい、ということを言う。
婚約時代は昔からあばたもエクボというように相手のアラは見え難いものであるが、一緒に暮すようになるとそうは行かぬ。こんな筈ではなかった、と思った時に可愛さ余って憎さ百倍ということになりかねない。
そこで忍の一字となってくる、ならなければならない。夫婦として家庭は築いて行くべきものであって、ほっておいてうまく行くことではない。
しかし、いよいよ結婚するということになったらお互いによく観察も必要でしょう。この間、雑誌を読んでいたら、日本も離婚率が増えて三〇%以上に達すると書いてあったので、本当かしらと思った。今や日本も男女ともに晩婚となるどころか、結婚しない人が増えているが、一時の衝動で結婚すると言わないで、よく見、よく考えることも必要ではないか、と考えている。もっとも、結婚しょうなんていうことは計算ずくではなく、世に一目惚れと言うように一瞬の間で簡単に決めることも少なくないから、そうとも言えないが、愛しあっても、みだりに結婚すると口にしないで、一旦口にしたからには約束は固く守って行かなければならない、と思っている。