25.12.31

在外勤務が長かった商社マンの観察した現地人の率直な姿。なかなか辛らつな、鋭い眼で見ているのでうなづけるところが少なくない。英国が主であるが、たやすくは人をよせつけないが、信頼するとなると誠実なお国柄は、ロンドンに長かった私の友人からも初めて私が英国を訪ねた時に一晩じっくり聞いた。

日本語よりもうまいような英語をしゃべるその友人は亡くなって久しいが、イギリスでうまいもんを食べようなんて思うのは間違いだ、ドーヴァーソール(舌平目)とスモークト・サーモンだけは別だよ、といった言葉を時に思い出す。

彼の借りていた家にはちゃんとしたテニスコートも一面ついていて、雰囲気はこれがイギリスかと思わせるものだった。

同じく酒好きの彼と夜明かしであるだけのスコッチを飲んだことも思い出す。

書評になりそうもないが、かつて日英同盟を結んでいたことはよかった、と思うのはひとりよがりだろう。
倫敦洒脱(ユーモア)探偵―商社マンの英国ウォッチング/日本経済新聞社
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