25・11・10
このところ連日国内企業の中間連結決算が発表されているが、米国の取引所に上場している企業(今年三月時点で三二社)は業績を米国の基準で公表しなければならない。
米国会計基準は日本の企業多くが採用するものとはいくつかの違いがある。
損益の計算方法にも違いがあるが、例えば「のれん代」と呼ばれる項目の処理方法も違っている。
のれん代はM&A(企業の合併・買収)の際に生じる項目であるが、買収される企業のブランド力や製品開発力など、いわば見えない資産の価値を金額で示すものである。日本の基準では、のれん代の資産価値が年を追って減るとみなすため、減る分を費用として毎年計上するが、米国基準は毎年一定額の価値が減るとはみなさない。
世界的な基準としては、各国で異なる会計基準を統一するため考案され、欧州を中心に普及が進む国際会計基準(IFRS)があり、日本の企業でも、東証一部上場企業の中一六社が使っている。
東証はIFRSの適用を推奨しているが、金融庁の企業会計審議会は、日本国内でもIFRSの適用を推奨するとともに、企業会計のシステム変更に伴うコスト増などを懸念する企業にも配慮し、日本独自の基準を一部取り入れた日本版IFRSを作ることも提案している。
企業会計基準の問題は昨日、今日始まったものでないし、時代とともに変更があっても差支えないという気もするが、各国間、各国内でいくつも存在すると比較上不便もあることだし、願わくば、世界的に統一基準にすることが望ましい気がする、決定するには各企業の意見を充分に徴した上決断したらよいと思う。