25・11・4
政府の教育再生実行会議が、従来の入試制度を根本的に変えて、一点刻みで得点の高い順に合格者を決める方針を改めて、学力を基本としつつも人物重視に転換を促そうとしている。
一見尤ものように見えるが、私は反対である。
試験は何のためにするか、と言えば、大学生として入学するのにふさわしい人を選ぶためにするものだと思う。
その資格を競争裡に如何にして判定するかが問題となる。
私は、いろいろ難点はあるものの、答案の得点で判断する今の方式が一番良い、と思っている。
問題の出し方など試験の方法については、無論問題はなしとしないし、研究を重ねて行けばよいと思っているが、点数順にとって行くことが基本的におかしいと言う人は殆んどいないと思う。
それが試験結果だけではなく、いわゆる人物重視となるうと、それこそいろいろ問題が生じてくると思う。
たった一度の試験で合否を決めるのは確かに問題がある。実力はあっても試験に弱い人もいる。そうだろう。たった一ぺんの試験で能力を判定するのは運、不運もあることだし、どうかと思う、と批判もあろう。
所詮どんな方法でも完璧なものはないので、やはり点数一本に選衝方法を絞るのが一番皆から文句を言われない公平な方法であると思う。
「人物重視」など言うとちょっといい方法のように思われるが、誰が判断するか。人の好き嫌いもあるし、個人的に頼まれ易くなるし、人物など僅かな面接で判定できるものでもないし、結局、答案用紙の点数によるものが一番公平で文句がない方法なのではなかろうか。
もっとも本人の実力を総合的にみて一番適確に試せるような問題を作ることが必要であるし、偶然性も時にまざる。マークシートではなく、筆記試験の方法の方がよいと思う。