25・8・19

 子供の頃から本を読むのは好きであった。当時のこととて、幼年倶楽部、少年倶楽部、少女倶楽部、など講読社発行にかかる本が多かった、父親の蔵書、と言って夏目漱石と菊池寛の全集の他いくらかの文芸本、それに小学生全集(全八〇巻だったと思う)を読んでいた。

 中学校に入ってからは、犬養先生に觸発されたりして手あたり次第に小説や詩を読み、又一高に入ってからは、本業はそこそこにして、朝から晩まで、それこそ文芸書にひたっていたと言ってもよい。

 本とは切っても切れない仲になっていたし、又、そのことは人生を豊かにしてくれたものとして感謝している。