日本の名物はフジヤマ、ゲイシャガールを言われていた。フジヤマは世界自然遺産と認められ、最近は人気を集め、入山料をとって登山者を制限しようか、という騒ぎである。が、片一方のゲイシャガールは衰退の一途を辿って、昔に比べると、先ず人数は減る一方、花街も消減したところが多い。

 東京ならば、新橋、赤坂、神楽坂、浅草など花街が春、秋踊りの会を聞いたものだが、芸者の数が減って踊りの会を維持できないところが増えている。

 都踊りはヨイヤサーというかけ声諸とも舞台を華と色どった舞子さん達も今は数が足らなくて、襟替えしたお姉さん方も混じっていると聞いた。

 確かに時代が変った。花街を維持して来た社会の基盤が変ったと思わざるをえない。

 花街とともに生成発展を続けて来た諸々の文化も自然と色あせて来ざるをえない。

 日本の古典的な芸能もすたれる一方であろう。長唄、常盤津、清元、河東節、一中節、浪花節も化石的な存在になりつつあるのではないか。