25.6.4


チャイナ・ウオッチャーの末席にあって、改革開放以後の中国に通うこと150回以上、特に過去十年程は、多い年は8回ほど中国各地を旅行し、自分の眼で見た中国の実態を記したという、評論家・宮崎正弘氏の著書である。

題名に興味をもったので求めて読んだ。

中国経済の本質は「水滸伝」の世界であると評している。

今や日本を抜いて米国に次ぎ、世界第二の経済大国になったという中国の経済は政府操作の数字の上に踊るに過ぎず、今やGDPの成長率は9.1パーセントなんて、真赤な嘘であり、本当の数字はマイナス10%、インフレ率が60.1パーセントというのも多嘘で、実態のインフレは16パーセント、中国の不良債権は最悪で432兆円にもなるという。米国の著名な経済学者の計算によれば、GDPの平均成長率は過去20年に3~4パーセントだろうという結論が出た。

このいうことが事実なら、中国経済は大へんな事態に立ち到っている、と見ざるを得ない。

私は、今これを検証する手段をもっていないが、数字をいじることは考えられないでもない。

従来、中国へ、中国へと生産拠点まで移していた日本の企業も独裁国におけるリスクを躰にも感じるせいか、まてよと進出を再考するところが出て来ている。東南アジアの各国の方に魅力を感じるのであろう。

ともあれ、中国への進出は一筋縄ではいかない、充分慎重に考えなければと思うが如何。