25・5・19
公衆の面前で50のムチ打ち刑に処せられたノートルダムのひどいせむしの、とても見られないぶ男の鐘撞男カシモド(チャールズ・ロートン)は刑が終って一杯の水を哀訴し、ただ1人これを与えたジプシーの娘エズメラルド(モーリン・オハラ)に恋情を抱く、法廷でジプシーで魔女なるがに拷問をもって死刑を宣言された彼女を絞首刑執行寸前に救け出し、聖域ノートルダムにかくす。遂に処刑に憤る市民の動きの前に王は彼女を無罪とし、ジプシーに市民権を認めることに決定した。
戦前学生の頃、一度見て強く印象に遺っていた映画であったが、今ここで再び見て、本当に映画らしい、いい映画があったと思う。
戦後ノートルダムには2、3回おとずれたが、その度にせむし男の姿を思い出していた。
それにしても、ジプシーの存在がどういうものか、未だによくわからない。ヨーロッパの国で何組も見かけたことがあるが、近頃は殆ど見かけなくなった。独得の衣装と幌馬車の一行で何やら異様な雰囲気を持っていただけに全く見られなくなるのは淋しい気もする。
それにしても、魔女なんて本当にいるのかしら。いたのかしら。「奥様は魔女」という映画は今でもテレビで見かけるけれど。