25・5・13
テーマ音楽で大へん有名になったキャロル・リード監督の作品である。
第二次大戦直後の廃墟となったウィーンに戦友のハリー(オーソン・ウェルズ)を訪ねて来たアメリカの作家(ジョセフ・コットン)は、そこで既に彼は死んでいることを知らされる。しかし、戦友の死に釈然としないホリーはハリーの愛人アンナ(アリダ・ヴァリ)をはじめ、次々とアリーを知っていた人に当る。自動車に激突して死んだ現場にいた二人のほか不審の「第三の男」がいたと言うが、それが誰なのか。という筋を追う。
何だか、よくわからないところのある映画だが、当時のウィーンの街の姿を映して、ふんだんに雰囲気を見せ、また特にいささか長すぎるくらいであるが巨大な下水溝の中で繰り拡げられる逃走劇の迫力は手に汗を握らされる。
四十二年カンヌ映画祭国際グランプリの作品である。