25・3・23

 黒沢明監督の作品である。DVDの帯に記してあるのは、「腐敗しきった藩政の中で私腹を肥やす家臣たち。見かねて決起した九人の熱血若侍、一触即発の城下町にご存知三十郎の出現だ!豪勇無双!必殺の魔剣!時代劇の革命!黒沢明が空前の迫力で描破する!活劇映画!醍醐味!

 どうも、少し大袈裟な広告文句だが、久しぶりに三船敏郎の勇姿に接して満足だった。

 彼とは映画では無論見ていたが、「大正会」という大正生れ人達の「大正会」(森繁久彌や石田博英など始めた会)のメンバーでちょくちょくお会いしていた。押し出しが立派で如何にも侍らしい風格はなかなか余人をもって代えがたい雰囲気を漂よわせていた。成城のお宅もわが家から近かった。

 若い頃の加山雄三とか、田中邦衛、平田明彦、久保明、仲代達也、小林桂樹、志村喬なども出演している。皆一面識はあるのだが、余り若くて見分けられない人もいた。女優では入江たか子、団令子などが出ていた。バーいりえでお会いしたのが最後だが、あれからもう何年経っているだろうか。入江さんが銀座にバーを作る時、若い時京都の税務署長として知り合った福田赳夫さんが資金集めで一筆筆頭になったと聞いたが本当か、など思い出して見ていた。相変わらず綺麗であった。