25.3.20

推薦入試は現に各大学、とくに私大で行なわれていることは知っている。定員割れの大学がかなり多くなっているという現状において推薦入試はある意味で学生確保の競争の手段となっているようである。別にそれは悪いとも思わない。

ただ、入学希望者の多い東大で推薦入試をする必要はない、と思う。浜田学長が昨年一月の記者会見で「一点刻みで合格、不合格を決めていいか」と話し、点数以外の多様な価値観も評価できる入試方法を考えて行く考えを示した、という。

しかし、そこが問題なのである。推薦となると推薦入試を認める高校をどこにするか、が問題となるし、又、評価の基準が学校間にも差があるだろうし、「多様な価値観」とは何ぞや、どう評価するのか、という難しい問題もある。

確かに資質が優れていても試験の下手なものもいるし、学校の成績は良くても、上級学校の入学試験となるとどうもうまくいかないものもいよう。それはそれで仕方がないと割り切るよりしようがないだろう。

試験の点だけで決めるなら文句の言いようもないが、他の評価方法を導入するとなると、きっと紛議をかもすから、止めた方がよい。

もっとも、一芸に秀でたものを別枠で入れるのは別問題で、これに反対はしない。その代り特別選衡で入った旨を明らかにした方がよい。それは、それで世間はそのように受け止めるから、いいのではないか。