25・2・24

 黒沢明監督の第一作と言われている。昭和18年の封切とあるから、大東亜戦争真最中に作られたもので、当時、私は近歩一連隊にいた。見る折はなかったが、今回DVDでみて、よくできた映画だな、と改めて思った。

 旧幕時代の構武所師範たちがまだ巾を効かしていた頃、講道館(館長は嘉納治五郎)を背負って数々の試合に勇滅を振い、技・山嵐の威力を十分発揮した姿三四郎の物語である。

 彼のモデルは、戊辰戦争で官軍と最後まで戦った会津藩の家老・西郷頼母の息子西郷四郎であると言われている。

 筋は省略するが、矢野正五郎こと嘉納治五郎の大河内傳次郎、姿三四郎の藤田進、小夜の轟夕起子、檜垣源之助の月形龍之介、村井半助の志村喬など大へんいい配役。流石は黒沢と思わせるような作品で、久しぶりに楽しめた。