24・12・5

 池宮彰一郎の作で、この人のものは暫らく読んでいなかった。なかなかよく調べてがっちりした筆で書いている。

 ただ一人足軽の身分で47の1人として参加した寺坂吉右衛門の物語である。大石の配慮によって討入後ただ独り隊列を離れ、遺された人々に討入りの真実を傳え、又、遺族などが生活に困らないように面倒を見るために辛苦を重ねた寺坂を中心としたなかなか興味深い史実が述べられている。しかし多分やはり小説であろう。