相継いで行われた民主党と自民党の党首選は一般国民の政治への関心を高める効果も持ったのは結構なことであると思うが、どうも党内では勢力争いの範躊を出ないで、各候補の政策の違いなどがも一つハッキリしない。同じ党内の候補の戦いだから、本来政策面ではそれ程違わなくても仕方がない、とも言えるが、そもそも民主と自民両党間においても政策面でどれ程の差があるか、わからない。民主党のマニフェストなるものの主要な柱が何だか、なし崩しに見えなくなったことにもよる。

 こうゆうような政界の星雲状態は当分の間は続くものと思わなければならない。そのうちに合従連衡を繰り返して、実質的にそれぞれ二本の柱に集約されて行くものと思う。是々非々というのは、政策に一貫性を欠く原因になるし、そのような流動的な態勢からは力強い政治力の発信は期待できまい。

 前にも述べたが、それには公耺選挙法を改正して、現在の衆議院の小選挙区比例代表制を改正し、再び元の中選挙区制へ復帰することが何よりも必要であると思う。

 現行制度で選挙が行われたのは前後何回になるか、みんなにおいしい政策などありうべくものないし、小選挙区制度のもとでは、広い、高い眼で政治活動を行なうことの出来る人を選出することは無理なことは既に証明されている。「改むるにやぶさかなることなかれ」と声を大にして言いたい。