24・9・9

 「偉人・石原士郎のみちのり」と副題のついた畑谷史代の著である。

 正直言って独りよがりでよくわからないところもあったが、収容所の生活のギリギリの極限的生活は人間に何を与えるか。そのような環境のなかでは、生き抜くためには罪人とならざるをえないが、それを反省すら出来ないことを羞じる、とも言おうとしているのか。

 おなじようにソ連に抑留された私だが、われわれは石原の置かれた境遇よりいくらかましだったとは言うものの、自由を奪われていることは基本的に人間の生活ではないと思う。