24.8.29

今日、東京ロータリーの卓話で小宮山三菱総研所長(前東大総長)の大へん総括的ないい話を聴いた。日本の将来を悲観しなくていい自信めいたものを感じさせて良かった。

ただ一つ、残念であったのは、少子化現象を指摘されたにも拘わらず、その対策について触れるところがなかった。

尖閣列島の領有権が中国に脅かされそうな最近の出来事が耳に入るにつけ、昭和五十年代の初め中国を訪れたわれわれ自民党の議員団に、中ソ間の不可侵条約の廃棄をめぐって中日友好協会会長了承志氏の事もなげに語った言葉を思い浮かべるのである。

「皆さん、ソ連の人口は二億余り。われわれは十四億人。一旦戦争になって、假に一対一で刺し違えても、中国人は十二億人残りますよ。」

中国の近年における経済成長は、かつての日本のような急テンポである。最近、そのテンポが少しづつ落ちてきているとは言え、年率八パーセント以上の成長が続けば、軈て中国が日本に追いつく時が来る。そうなった時は、中国は日本の十倍以上の経済力を持つことになる。経済力は軍事力に繋がる。そこを心配するのである。

尖閣列島の領有権について中国人全般がどのくらいな関心と熱意を持っているかは詳らかではないが、見のがせるような状態ではない。

そこで、前々から言っているように少子化対策は国を挙げて取り組むべき問題である。政府は少子化問題担当の大臣を歴代任命しているが、何の行政権限も持っていないような大臣に何ができるというのか。批評するか、勧告をするくらいではないか。そして、その勧告は実現される保証は何もない。

もっともっと国を挙げて取り組まなければならないことを、広く国民全般に認識して貰うことが第一、その対策、長期的・短期的と色々あろうが、とにかく対策を充分検討し、決定したら、とにかく出来ることから早速実現に向けてとっかかることが第二であると思う。

本当に民族の将来がこれ一つの解決にかかっていると思われる問題である。