24.7.14

ヒッチコック監督の作品で、ただの恋愛映画みたいなものではない、いわばサスペンスものである。

旅行先のモンテ・カルロで偶然出会ったヒロイン(ジョーン・フォンティーン)と一年前に妻・レベッカをなくした英国紳士マキシム(ローレンス・オリヴィエ)が恋に落ち、即座に結婚し、彼の豪邸のあるマンダレーに帰る。

屋敷を取り仕切るダンバース夫人以下二十人もの家事お手伝いに迎えられて豪邸での生活が始まるが、環境がまるで変った世界に投げ込まれたヒロインはとまどいながら夫の愛情を信じて生きる毎日であった。

だが、マンダレーの人々が口を揃えて讃える、美しく謎めいたレベッカの呪縛にとらわれ、不安と嫉妬にかられるヒロインはマキシムと別れも決意する。

ところが、ある日、暴風雨で遭難した船を村の人々が引き揚げた際、かつてマキシムが死んだ妻を乗せて沈めた小舟が海底から発見される。

事実は、美貌のレベッカに愛人がいるばかりかその子を宿したと知り、心から憎んだマキシムと激しい口論になる。転んだレベッカは石の暖炉の角に頭を打って死亡する。それを人に話しても信じてはくれないと思ったマキシムはレベッカを小舟に乗せ、底の栓を抜いて沈める。その船が引き上げられたのである。

レベッカを殺害して海に捨てたと疑われたマキシムは裁判にかけられるが、レベッカの妊娠を診断したと言われた医者が、実はレベッカは明日をも知れぬ重症のがんにかかっていたと証言する。

その一事で、レベッカはがんを嘆いて自殺したということで、凡ては解決するが、ダンバース夫人はローソクの火を放って、ついに豪邸は灰燼に帰す。レベッカのあらゆる痕跡は無くなって、残された二人の愛が祝福される、という物語。

ヒッチコックらしいストーリーである。




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