- 24・6・16
西鶴ものの映画化(DVD)で、溝口健二の監督である。
学生の頃、一時西鶴のものが大へんに面白くて、岩波の文庫本になったものは凡て読んだが、これもその中の一つである。
岩波文庫本の黄色い帯のものは、全部読もうとおもって、ほゞ実行したが、元はと言えば、菊池寛が西鶴を推賞していたからであった。
近松の作もそうであるが、西鶴の本は、極めて現実的な眼が光っている上に、プロットが大へん見事に仕組まれていて、感心するものが多かった。
「西鶴一女代」も厳しい選衡とパスして大名の側女となり、お世継を生んだ女がある日追われて島原の大夫となったり、次々に変る環境の中で筋を通して生き抜いて行こうとする姿を容赦ない厳しさで綴った物語である。
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