２４．６．２
デ・シーカ監督の、久しぶりにしっとりとしたいい映画に出遭った。
夫も男の子も一人ある人妻マリー（ジェニファー・ジョーンズ）が青年ジョバンニ（モンゴメリー・クリフト）と恋に落ちたが、別れを決意して向ったローマ駅で汽車が出発するまでの九〇分間の逢瀬を映したものである。子供を思い、別れを決心したものの、彼女の後を追って駅に来た男の顔を見れば、再びゆれ動く心の葛藤を見事に捕らえている。
最後は、駅を去り行く列車に彼女を乗せて彼は見送るのであるが、ハリウッド映画などには見られない情緒にあふれた名作である。
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