24・4・15
このところシャロック・ホームズの映画をDVDで見ることが多い。丁度適当な長さ(1時間位)である上に、何だか安心して絵ときをしているような感じで見られる。肩が凝らないでいい。ワトソン博士もいい組合せになっている。
ずっと昔、子供の頃、月1回であったと思うが、近所のお寺の縁日に露店がアセチレンの臭いを流しながら並んでいた中に古本屋があって、そこで母から貰った10銭の小遣いの中から1冊3センか5センかで怪盗アルセーヌ・ルパンの現れるルパン全集を買ったことを思い出す。全10巻ぐらいであったと思うが、作者はモーリス・ルブランで保篠龍緒の訳であった。
余りにも昔のことで題名も奇巌城、水晶の栓、モルグ街の殺人事件ぐらいしか覚えていないが、ルパンが日本のジュ―ドウを使うこととか、潜水艦に乗り込むことなどは未だに記憶に残っている。
その夜店で何冊か新青年という雑誌も買った。それにも探偵小説(当時は推理小説とは余り言われなかった)が載っていた。確か、アガサ・クリスティの作品を読んで、最後まで犯人がわからなかった、ことを思い出す。
アガサ・クリスティのエルキュール・ポアロやコナン・ドイルのシャロック・ホームズのものもあらかた読んだ。
大学に入って横浜からお茶の水に通っていた電車の中で読んだのはアガサ・クリスティのもので早川ミステリーの訳を使っていたが、ペンギンブックスの原書の方が安かったし、途中からそれに切り替えて、さあ何冊読んだろうか。わからない単語もあったが、余り気にならなかったし、マージャンのポン、チイなどいう言葉が出てくるので「あれ」と思ったりした。
後年、エジプトを訪ねた折ナイルを遡り、ルクソールに泊った時、ホテルの一室の扉に「アガサ・クリスティの部屋」と印してあるので懐しく、ホテルのボーイに頼んでその扉をバックにして一枚撮って貰った。「ナイル殺人事件」はその部屋で書かれた、と言う。
近頃、暇があれば、昔懐しい映画のDVDを見ることにしているが、推理ものもシャロック・ホームズやアガサ・クリスティの他、刑事コロンボもあらかた見て楽しんでいる。