24.3.23
一寸身体に異変を感じたら出来るだけ直ぐ医者に見て貰うことにしている。年二回の定期ドックもかかさず通っている。若い頃誤診でえらい目に遭いかけた経験もあって、医者の診断がどうも納得のいかない時は、セカンド・オピニオンを求めて、他の医者に重ねて見て貰うこともある。
外国で医者にかかった経験はほとんどないから、外国との比較はできないが、私は、日本の医学水準は低くないと思っているし、とくに医療機器の面ではかなり進んでいるのではないか、と思う。
しかし、この頃、大病院では、医者は専ら検査結果をパソコンで見て、病気の診断をし、然るべき薬も処方してくれる。それに不服があるわけではないが、医者、とくに若い人は患者の身体を殆んど触らないで、データばかり見て、意見を云う。いろいろな数値が表に現われていて、それぞれ意味をもっているのだから、それでいいのだとも思うが、私のように古い人間は、やはり聴診器を胸や背中にあて、又、足首を抑え、腹を押して直接医者の手が身体にふれる診断に何となく安心するのである。
前に亡くなったが天下の名医と言われた東大の沖中教授が医療の第一線を退いて著した本の中で、自分の誤診率は十五%であったと述べている。沖中氏にして然り。一般の医者の誤診率はもっと高いだろうと思った。
素人では、こういう誤診にあっても、どうすることもできないから、最初に述べたように納得の行かない時は他の医者に見て貰うのが、患者側のせめてもの対抗策ではないか。