23.12.25

ついこの間も湘南のゴルフ場へ出かけての帰り、東名高速の事故というので、これを避けて第三京浜、環八のルートで帰宅したが、これ又渋滞で普段の倍近くも時間がかかった。

そこで、いつも思うのだが、もっと事故処理を早く出来ないか、又いわゆる自然渋滞を何とか解消できないか、ということである。

事故処理については、人身事故に至るものは別として、車同志の接觸事故ぐらいは、いずれにしても普通は保険金の支払問題であるから原因究明もほどほどにして貰って、早く車が通れるようにしたらいいのではないか。事故処理のために何百、何千台という車の時間のロスを招くことは全くバカげたことである。

私は、以前、主計局で予算を担当していた時に、首都高速道路公団にヘリコプターを買うことを提案した。交通状況を時々刻々知らせるためには上空から見るのが一番早く正確だから、という理由であった。公団当局は維持費が大へんだなといって断って来た。私は、事故車の処理の時間を少なくするために、ヘリコプターで事故車を吊りあげて運ぶのが一番良いのではないか、とも言ったが、これも乗り気でなかった。

車の渋滞の原因は一つには、ETFのできた現在は違って来たが、以前は折角ゲイトが沢山あるのに一部、時にはかなり閉めていることがあった。曜日、天候などによっておよその推測はできるのであるから、混みそうな時は、当然ゲイトを全開すべきである、というのに、それもしない。

私は、公団の役員は土、日など通行量の多い時は少なくとも交替で出勤し、第一線の現場を良く見廻るべきではないか、といって嫌な顔をされた。

首都高の交通渋滞の原因の一つは、降り口の少ないこと、又降り口が交差点などにぶつかって、車さばきが悪いことに在るので、それを改めるように首路の改造を考えるべきであると提案したが、それも果たされていない。

私は、思うに、高速道の建設は道路敷との土地と関係、一般の道路、水路、家屋との関係など国・地方の予算もからみ行政面で処理すべきことがかなり多いし、時に収用法の発動も必要であるから、国に近い特殊法人が担当するにしても、出来上った後のその運営は民間の会社に委せるべきだ、ということを何度も主張した。

ところが、これが実現できないのである。儲かっても、儲からなくても、天下りを含めて一定の人員を保持し、とにかく新しいことは避けて一日一日を無事に過ごして行くことをもってよしとしているようでは、経営の思い切った合理化・効率化は図れないし、車が混もうと混むまいと、そう大したことではないような営業態度になってくる。いかにして儲けて、国の出資額の一部でも国庫に納付できるような態勢にすべきではないか、と思っている。

国鉄などはJRになってから随分変わった。まだまだお殿様の気分がすっかり抜けているとは言えないにしても、大した進歩である。一つには交通機関として競り合う相手がいるからであるが、それにしても行革の一つの成果である。

このような国家的事業において公設民営はもっともっと推進されるべきものだと思っている。