23.12.23

ジュリアン・デュヴィエ監督のモノクロの作品をDVDで見た。言うまでもなくトルストイの長篇が原作である。戦前、高校生の頃に読んだ時は眠れぬくらいの感激をしたものであるが、七〇年以上も経ってみると喜びも悲しみも大きな心の波にならないような気がして、年齢の差を思うのである。

もっとも、この映画の登場人物は英語をしゃべっている。それも何となくトルストイの原作の風味を失わせている。ヴィヴィアン・リーのアンナ・カレニナは飽くまでも美しいが、この映画は筋書きもよくわからないのは惜しい。

書いてないのでよくわからないが、多分もっと長尺物を縮めたものではないか、と思う。

アンナ・カレニナの苦しみがもっとよく傳わらないといけないと思う。ステバンヤ・カレニンやオブロンスキーの描き方も平板過ぎる気がした。