23・12・10

 今この時期にインフレ目標を設定というような考え方を言うと、何とか経済の現状にそぐわないような感じがしていたが、1124日付の日経朝刊の記事で、FRB(米連邦準備理事会)が22日公表した1112日開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、インフレ目標策など金融対策の透明性を高める策を積極的に議論したことが分かったという。FRBは追加金融緩和の手段を合わせて検討を続ける、ということであった。

 議事要旨では、多くの委員が長期的なインフレ目標を明確にする利点を指摘したという。

 平成2年私が経済企画庁長官をしている時、このインフレ目標設定という考え方を推進すべきだと思い、部下に検討を命ずるととも党の金融制度調査会でも検討を要請した。日銀総裁(速水氏)にも会った際、インフレ目標のことを話し合ったが、彼は一旦物価の上層速度が増して来た時に止めようがない、というようなことを言って、反対の態度であったが、私は、そういうような時にこそ日銀は制御する手段を持っているではないか、そんな理由で反対するのはおかしい、と言ってたら、笑って逃げていった。

 物価が12%の割合で上昇し、GDPが23%の割合で増加する、というようなのが、いい経済状態ではないか、と思っている。

 今でも私の考え方は変らないが、日銀あたりは今も旧態依然としているのであろうか。もっとも、当時も日銀内にもインフレ目標に賛成の人もいた、岩田副総裁もその1人だった、と思ったが、どうかな。